留学先で効率よく英語を勉強する方法
時間の限られた語学留学。その間にできるだけ英語力を伸ばそうと、留学生のだれもが思うことでしょう。では、英語力が測れるような具体的な目標はありますか?また、その目標に向けてどのような勉強をしていこうとお考えですか?ただ海外で暮らすだけでも英語は伸びますが、効率よく勉強したいとなると自分のレベルにあった目標を設定し、レベルに合った方法で勉強していくことが成功のカギです。今回は英語のレベル別に、設定すると良い目標や効果的な勉強方法をご紹介いたします。これらの内容は、筆者が実際に実践したものや、留学先の友人の様子からおすすめできると判断したものです。これから留学しようと考えている方、留学先で良い勉強方法が分からなくて困っている方はぜひ参考にしてください。
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なぜレベルにあった目標や勉強法が大切なのか
例えば、全く泳げない人に「100メートルクロールして、さらに平泳ぎで100メートルしてきてください。息継ぎは完璧に、ターンもしっかり決めてきて、世界記録目指しましょうね」といきなり告げたらどうなるでしょうか。「無理」、となりますよね。英語もこれと同じで、最初から「ネイティブレベルにバリバリ話せるようになる」といった大きな目標を掲げてしまうと達成が困難になります。なぜなら、目標達成までの時間が長くなり、成果を感じにくくなることでモチベーションを保てなくなるからです。そのため、自分のレベルに合わせたいわば中間目標を設定し、それを達成しながら大きな目標へ向かっていくことが必要となります。
勉強方法に関しても、自分のレベルにあったものを選択することが大切です。英語をほとんど聞き取れない人が、いきなり英語のニュース番組に挑戦しても心が折れてしまいますよね。最初は英語学習者向けの番組やことども向け番組など優しい英語から入り、そこで自信をつけてから次のレベルに進むことがモチベーションを保つことにつながります。また、トータルでかかる時間を考えても、段階的に力を上げていく方法は無理な方法で頑張るよりも短期間で成果を上げられることがあります。
このように、効率的に英語力を上げるには、適切な目標と勉強方法の選択が重要となってきます。
英語初級:会話の機会を多く設け、「しゃべれない」という思い込みを緩和しよう
英語の勉強を始めたばかりの方にとって最も大切なことは、「英語が使えない」という感覚を和らげることです。そのためにはまず話してみることが大切です。なぜなら、スピーキングは日本人にとって最も伸びしろが多い分野だからです。日本人は英語が話せないという一般論は、悲しいことに間違ってはいません。しかし、文法に関しては他の国出身の学生たちよりもできる傾向にある、ということは見落とされがちです。実は、この文法の知識があるからこそ、一度英語が口から出るようになった日本人のスピーキング上達速度は他国の学生に引けをとりません。つまり、最も上達の可能性があるスピーキングに力を入れて「英語が伸びている」という感覚を得られれば、「英語は難しすぎて使えない」という思い込みを払拭することができます。
このような場合、語学学校は非常に良い環境です。授業中は必ず英語で話さなければなりませんし、周りにいる友達も同じように英語を学びに来ている人たちなので話しやすい環境となっています。授業中に積極的に発言して会話のチャンスを増やし、英語が話せるという感覚をつかみましょう。最初は発音を気にしなくても構いません。文法を間違っても伝わればOKです。英語でコミュニケーションをとることは決して自分のキャパシティを超えていることではないのだと、思うことが大切なのです。
筆者自身もスピーキングに関しては自信が全く、軽く自己紹介ができるかできないか程度で渡航しました。しかし、いろいろな方と話していく中で自分の英語が意外と通じることを知って自信が持てました。また、ネイティブの方とお話ししている中で英語を使えること自体を誉めてもらえることが多かったので、励みになりました。
もし、現地へ行っても英語を使える自信がないという方は、留学前に英会話教室や英語カフェに行ってみると良いです。また、学校を申し込む際に留学エージェントを利用した方は、サポート内容に英会話レッスンがついている場合がありますので、そちらを活用してみてください。
英語中級:日常生活に英語を取り入れ、英語に慣れよう
英語を話すことは決して手の届かない目標ではない、と思うことができたら次のステップへ進みましょう。英語レベル中級の方にとって大切なことは、英語を身近にして抵抗感を無くしていくことです。そのためには、日常生活の中に積極的に英語を取り入れていく必要があります。まず、わからない単語を調べる際は英英辞書を使うようにしてみましょう。英英辞書は説明を読んでいるだけでリーディングの勉強になりますが、英和辞書ではわからないような単語のニュアンスを知ることもできます。そして、英語で調べるということが習慣化すれば、英語を見ることへの抵抗感が減っていきます。
また、英語学習者向けの本を読んでみることも効果的です。いきなり洋書を読もうとなると、文字量的にも難易度的にも難しいものがあります。しかし、英語学習者向けの本は英語レベルに応じて使われている単語が厳選されていますし、1冊のページ数も少なく抑えられているので読みやすいです。有名どころではOxford Bookworms LibraryやCambridge English Readersがあります。語学学校によってはそのような本を貸し出ししているところがありますので、是非活用してみてください。
さらに、テレビ番組を見ることもおすすめです。こども向け番組は簡単な単語や言い回しが多くつかわれているので良いツールとなります。筆者のおすすめは料理番組です。料理番組は自分の動作をそのまま言葉にして解説してることが多いため、英語を捉えやすいです。私はかれこれ半年以上、ほぼ毎日30分程度見続けていますが、番組中の英語を4割程度しか聞き取れなかったレベルから8-9割程度まで聞き取れるところまで上達しました。
ライティングに関しては英語日記がおすすめです。日常の簡単なことを短時間で構わないので書いてみてください。日記で使う表現は日常会話でそのまま使うことができますので、英語に慣れるだけでなく日々のボキャブラリーや言い回しを学ぶこともできます。
以上、おすすめの方法をご紹介しましたが、大切なのはこの段階で自分に合った勉強方法を見つけることです。英語が日常的になってくるとインプット・アウトプット量が圧倒的に変わってきますので、それだけ早く英語に慣れることができます。また、ここで継続して英語が勉強できる方法を見つけておくと、帰国後の英語力キープにも非常に役立ちます。
英語上級:英語のテストにチャレンジし、ワンランク上の英語を身に着けよう
日常レベルの英語であればなんとか大丈夫、と思えるようになった方はさらにワンランク上の英語を目指してみてはいかがでしょうか。特に、英語を仕事で生かしていきたいとお考えの方にとって、正しい英語を使えるようになるということは非常に重要です。正しい英語を身に着けるということは、単に日常を英語漬けにすればいいこととは違います。常に正しい英語を意識しながら意図的に自分をトレーニングする必要があるためです。例えば、日本人のネックになっている発音。こちらはスピーキング量やリスニング量が多ければ上達はするものの、本当にネイティブに近いものにするとなると常に自分の発音を意識して鍛えることが必要となってきます。正しい文法や言い回しを身に着けるにしても、日常生活において自分の言葉が正しいのか否かを常に意識し改善していくようにしなければなりません。言い換えれば、この上級という段階が、日本の「正しくないとダメ」という英語学習のスタンスを最も生かせるレベルだということが言えます。
この段階でおすすめとなる勉強方法は、英語の検定を受けるというものです。日常生活に活かせる英語を鍛えたいのであればケンブリッジ英検、学術に特化した英語を鍛えたいのであればTOEFLやIELTSが有名な検定となります。試験勉強の特徴は英語を正しく使うことに重点を置いて学べることと、テスト合格という明確な目標をもって学べることです。例えば、ライティングに関してはメールやレポートなど文章のタイプに応じてどのような書き方が正しいのかを学ぶことができます。文法やボキャブラリーに関しても、場面に応じた正しい表現を覚えることができます。語学学校でテスト対策コースを受講する場合は、正しい発音や表現ができるようになるまでスピーキングを徹底的に鍛えます。実際に私の韓国人の友人は、語学学校でケンブリッジ英検対策コースを受講し大きな成果をあげていました。彼女は一般英語コースを受講してからの編入だったのですが、日常会話において綺麗な英語表現を使ってきたり、聞いたことはあるけれど自分には知識が足りなくて実際に使えないような単語を言ってきたりと、目に見えて上達していくのが分かりました。他の友人も、テスト対策コースとを受けて得られた成果は今までの英語学習の中では最も大きかったと言っています。ワンランク上の英語を身に着けたい方は、是非英語検定の受験を検討してみて下さい。