留学費用の比較・節約方法 -国別・目的別-
- 留学費用の相場は、選ぶ学校、滞在する国や都市、留学中の生活スタイル、為替によって大きく変わります。また、費用の大部分は学費や滞在費となりますが、留学目的によって内訳も大きく変わります。
このように、さまざまな要因で費用は大きく上下しますが、留学前にある程度の目星をつけ、予算を立てることは重要です。
こちらでは、国別・留学目的別の留学費用の相場や内訳、節約術などを解説します。留学の予算を立てる際の参考にしてください。
留学費用の比較:語学留学
- 語学留学の費用は他の留学よりは費用の振れ幅が小さいものの、期間が長くなればなるほど相場に対して100万円前後の差が出ます。以下は、国別・期間別の留学費用の相場です。費用にはビザ申請・航空券・保険などの留学準備費、学費、現地生活費が含まれています。
主要5カ国の語学留学の費用
1年間の相場は300万円から450万円ほどで、アメリカとイギリスが高くなりやすい傾向です。学費自体は年々上昇傾向にありますが、為替レートの影響のほうが強いため、日本円で見ると一概に高くなっているとは言えません。
※主要5カ国:日本からの留学生が多いアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド
アメリカの語学留学費用
学費、生活費ともに高い国となります。滞在先の都市によって学費と生活費の相場は大きく変わります。留学先として有名なニューヨークやロサンゼルスは費用が高くなりがちです。
イギリスの語学留学費用
アメリカ同様、学費と生活費が高くなる傾向がありますが、格安校から良質校まで様々な価格帯の学校があり、費用の幅が広いです。また、ロンドン近郊は家賃が割高になります。
カナダの語学留学費用
主要5カ国の中では学費は低いほうになります。特に、長期間になるほどアメリカ・イギリスなど比較的費用が高くなる国と比べてお得になりやすいです。
オーストラリアの語学留学費用
都市部の家賃が年々高騰していますが、仕事のお給料が高いために学生の皆さんでも滞在費を抑えやすい国です。
ニュージーランドの語学留学費用
主要5カ国の中では一番費用を抑えられる国です。
費用が安く英語が学べるその他の国
主要な留学先5カ国は比較的留学費用が高いですが、近年では費用を抑えられる国での留学の人気が高まっています。
以下に紹介するフィリピン、マルタ、アイルランドは、費用が安いながら英語が勉強できる国です。留学費用の相場は200万円から250万円ほどで、主要国の半額以下の国もあります。
フィリピンの語学留学費用
圧倒的に費用を抑えた留学が可能で、アメリカやイギリスと比べると1年間の留学費用は半額近く抑えられます。語学留学は1ヶ月や3ヶ月間の短期渡航者が多いです。
マルタの語学留学費用
ヨーロッパの英語を学べる国でありながら、費用が抑えられることで近年注目されています。
アイルランドの語学留学費用
ヨーロッパの英語を学べる国でありながら、費用が抑えられることで近年注目されています。
留学費用の比較:大学留学
- 大学留学の場合、費用の総額に最も影響するのが学費、その次が行き先の都市によって変わる滞在費や生活費です。
また、卒業(学位取得)までにかかる年数が長くなるほど費用も増えます。しかし、卒業まで3年だからと言ってトータルの留学の費用が安くなるわけではありません。日本の高卒の場合は本科を始める前に1年の準備課程の受講が必要となることもあり、その場合は結果的に卒業まで4年かかります。
学費は日本同様、私立より公立の大学の方が安くなります。北米の場合は、短大(コミュニティカレッジ)に通うとさらに安く抑えられます。
以下は、ビザ申請、航空券、保険などの留学準備費、学費、現地生活費を含んだ場合の目安となります。
主要5カ国の大学留学の費用
※主要5カ国:日本からの留学生が多いアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド国 (卒業年数) |
費用(1年間) |
---|---|
アメリカ (4年間) |
約380-600万 |
イギリス (3年間) |
約420-540万 |
カナダ (4年間) |
約320-505万 |
オーストラリア (3年間) |
約280-580万 |
ニュージーランド (3年間) |
約340-470万 |
アメリカ大学留学費用の特徴
日本と同様、州立大学と私立大学で学費に大きな差が出ます。また、2年制大学と4年制大学では4年制大学のほうが学費が高くなります。学費を節約するため、2年制大学から4年制大学へ編入する学生も多くいます。
イギリス大学留学費用の特徴
イギリスの大学はほとんど国立大学です。学費は専攻学部によって異なり、特に医学コースを専攻すると学費だけで年間530万円ほどかかります。また、日本で高校を卒業後に大学進学する場合は進学準備コースでの勉強も必要となります。
カナダ大学留学費用の特徴
州によって大学の学費の相場は大きく違います。また、イギリス同様、医学、薬学、歯学などは教育学や文学と比べると2〜3倍の学費がかかります。また、学費は年々上昇傾向にあります。
オーストラリア大学留学費用の特徴
オーストラリアにはおよそ40の大学があり、そのほとんどが公立学校です。トップクラスの大学は特に学費が高くなります。日本の高卒の場合はファウンデーションコースでの勉強も必要となりますので、その分の学費も考慮する必要があります。
ニュージーランド大学留学費用の特徴
主要5カ国の中では低めになりますが、それでも年間300-400万円の費用が必要です。また、イギリスやオーストラリアと同様に、日本の高卒の場合は進学準備のためのファウンデーションコースにかかる費用も追加する必要があります。
費用が安く英語で大学留学できるその他の国
マレーシアは、物価が安いため学費も生活費も抑えて大学留学ができることで近年注目されている国です。
マレーシアには、欧米諸国の大学の分校が多くあり、学費を抑えながら本校と同じレベルの授業を受けられます。また、他国の大学との提携も積極的に行われており、マレーシアの大学を卒業と同時に提携先の大学の卒業資格も取れる制度などがあります。
国 (卒業年数) |
費用(1年間) |
---|---|
マレーシア (3年間) |
約180-220万 |
奨学金について
大学の正規学生は、海外留学生でも奨学金や援助金の応募ができるのが大きなメリットです。修士課程以上になると、「研究費」としての資金補助を受けることもできます。
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【留学生向け奨学金】海外留学生が使える奨学金をご紹介!
奨学金のタイプ
Need based scholarship
「必要性に応じた」奨学金で、低所得層など大学に行くのに資金補助が必要な学生が対象です。
Merit based scholarship
「能力に応じた」奨学金で、優秀な成績やスポーツ競技の才能など、特にその大学に大きく貢献できる要素が強い学生を呼び込むためのものです。
留学費用の比較:高校留学
- 中学や高校の正規留学には、年間数百万円の留学資金を覚悟しなければなりません。また、公立か私立か、学生寮滞在かホームステイかなどで費用は大きくばらつきます。
カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでは、留学生は公立の学校にも通えます。しかし、イギリス、アメリカではほとんどの場合私立へ、それも「ボーディング」(寮滞在)をする上での入学となります。
以下は、1年間の高校留学に最低限必要な費用の目安です。ビザ、海外旅行保険、航空券などの留学準備費、学費、滞在費を含みます。
国 | 費用(1年間) |
---|---|
アメリカ | (私)約500-800万 |
イギリス | (私)約480-590万円 |
カナダ | (私)約380-520万 (公)約250-270万 |
オーストラリア | (私)約410-600万 (公)約270-400万 |
ニュージーランド | (私)約310-340万 (公)約265-300万 |
留学費用の比較:ワーホリ
- ワーキングホリデーが通常の留学と大きく異なるのが、「学校に通う必要がない」ことです。多くの人が語学学校には通いますが、滞在期間の一部しか通わないため、大幅に費用を抑えられます。
また、生活費は到着後のアルバイトでもカバーすることができるため、年間100万円程度で留学を実現させることも可能です。
以下は、ビザ申請・海外旅行保険・航空券などの準備費用、学費(3ヶ月間分)、滞在費を含み、4ヶ月目より週5日のアルバイトをした場合の1年間の費用の相場になります。
主要4カ国のワーホリの費用
※主要4カ国:日本からのワーホリメーカーが多いイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド
国 | 費用(1年間) |
---|---|
イギリス | 約130-180万 |
カナダ | 約95-115万円 |
オーストラリア | 約95-120万 |
ニュージーランド | 約95-120万 |
留学費用の内訳
そもそも留学にはどのような費用がどのような割合でかかるのでしょうか。こちらでは、留学全体で必要なものと、留学目的別の費用のかかり方をご説明します。どのようなものが必要か
留学準備にかかる費用
最も大きな出費は学費・滞在費(留学前に払う場合)となります。渡航先や時期によっては、航空券代も非常に大きな出費となります。- 授業料
- 入学金、教材費
- ビザ申請費
- (有料エージェントの場合)申込み代行・サービス料
- 滞在費・手配費
- 航空券代
- 海外旅行・留学保険料
- 現地保険料(必須の場合)
- パスポート代
- 健康診断料
- スーツケース・持ち物費用
- プレゼント・お土産代
- ガーディアン費用(未成年の場合)
留学中にかかる費用
もっとも出費がかさむのは滞在費(家賃)です。家賃は滞在先によって大きく変化します。その他の費用は、物価よりも生活スタイルの影響を大きく受けます。特に、食費は外食と自炊で雲泥の差が出ます。- 授業料(コース延長、転校など)
- 滞在費(現地で支払う場合)
- 交通費
- 食費
- 通信費(携帯電話代など)
- 交際費、お小遣い
- ビザ延長料、身分証発行などにかかる事務手数料等
語学留学の費用の内訳
語学学校の場合、最も大きな割合を占める費用は学費、その次が滞在費(家賃・光熱費)になります。費用を抑える場合は、キャンペーンなどを利用して学費を割り引いたり、シェアハウスやルームシェアの利用で滞在費を安くすることが肝心です。
学校のキャンペーン情報は、学校のホームページなどに掲載されているほか、留学エージェントのウェブサイトでも公開されています。また、留学エージェントに相談すれば費用のオフシーズンや、費用を抑えつつも質の良い学校を紹介してもらえます。
大学留学の費用の内訳
学費が半分以上を占めることがある大学留学。期間が長くなればなるほど、学費の占める割合は上がっていきます。語学学校と違ってキャンペーンなどはあまりないので節約がしづらい部分ではありますが、奨学金などを利用して費用を抑えられると効果的です。
高校留学の費用の内訳
公立の場合
私立の場合
公立高校は学費の占める割合が52%、私立高校は65%にもなります。いずれにしても、学費の占める割合が非常に大きいです。
高校留学の場合は寮やホームステイの利用が一般的なため、食費が滞在費に含まれます。また、大学生や社会人と異なり、娯楽にかけるお金も減るため、生活費の占める割合は少なくなります。
留学準備に関しては、ビザ、航空券、海外留学保険のみを考慮しており、エージェントを通した際の手数料や現地のガーディアンの費用、生活サポート費用などは含んでいません。それらを含める場合、留学準備費の割合はもう少し高くなるでしょう。
ワーホリの費用の内訳
他の留学目的と比べると、圧倒的に学費の割合が低くなります。滞在費・生活費といった自分の生活スタイルに大きく影響される部分が費用の大半を占めるので、生活の工夫次第で留学費用を抑えることができます。
留学費用の節約方法
留学費用を節約するポイントは、学校、滞在先、生活スタイルをいかに工夫できるかです。
授業料、滞在費、現地でかかる生活費は、選ぶ語学学校やその国の物価の違いの影響をダイレクトに受けます。
生活費は、都会に滞在した場合は物価の影響を受けて高くなります。また、大都市ではホームステイ、学生寮、ハウスシェアなどの滞在費用が家賃の高さに比例して高額になります。一方で、地方は物価が低いため生活費や滞在費を抑えることができます。しかし、授業料が安い学校は価格競争が起こりやすい都市部の方で見つけやすく、都市部を離れた語学学校は一定以上の高めの料金を設定している傾向にあります。
では、具体的にどのようにすれば留学費用は抑えられるでしょうか?
無料の留学エージェントを利用する
留学エージェントには有料のところと無料のところがあります。基本的にサービスの中身は同じなので、準備費用を節約したい人は無料のエージェントを利用することをおすすめします。また、エージェントを使ったほうが、エージェント独自の割引や学校のキャンペーンを適用してくれるので、学費が安く済む場合があります。
ただし、無料のエージェントであっても、大学留学や高校留学の手続きには費用がかかる場合があります。利用の際は、サービス内容とどこから費用がかかるのかをしっかり確認することが大切です。
早めに準備を開始する
航空券の購入は、早ければ早いほど安くなり、渡航先によっては5万円から10万円以上の差が出ることもあります。セールやキャンペーン期間中にチケットを購入できればさらにお得です。さらに、乗継便を選んだり発着空港を変えたりすることでも航空券代は節約できます。しかし、経路を調べるには時間がかかりますし、安い便ほど早めに埋まってしまいます。留学を決めたらすぐに情報収取を開始し、格安航空などのウェブページを定期的に確認しましょう。また、海外旅行保険に関しても航空券同様、どの商品が安いのかを調べるには時間がかかります。保険は、保険会社やプランによって年間10万円から20万円の差が出ますので、早いうちからしっかり調べましょう。
また、語学学校などは10月くらいから翌年に向けた料金改定が行われますが、近年は改定のたびに上昇する傾向にあります。学費は申し込んだ際の料金が適用されますので、早めに申し込んだほうがお得です。
行く都市と時期を変える
留学計画をフレキシブルに変えられる余裕がある方は、ぜひ「場所」と「時期」を考えてみることをおすすめします。場所(都市)の違いは物価、よって現地での生活費や滞在費に、時期の違いは航空券代や語学学校の授業料に大きく影響するので、費用節約の際に注目したいところです。生活費や滞在費(ホームステイ代など)は都会よりは地方都市の方が安いです。航空券に関しては、夏、年末年始や日本のゴールデンウィークなど旅行が多くなる時期に高くなり、特に生徒の数が多くなる夏の時期は学校も追加料金を授業料に含めてくることがあります。
学校の割引やキャンペーンを利用する
留学費用の総額の中でも大きな割合を占めるのが学校の授業料ですが、一般的な語学留学の場合、ここは費用節約が効果的にできるところでもあります。長期で行く場合、ぜひチェックしたいのが長期割引が適応されているプログラムです。「アカデミックイヤー」や「アカデミックセメスター」などと呼ばれる固定された期間の長期プログラムは、通常の授業料金で長い週数申し込むよりもかなりお得な金額になっているので、その時期と期間で問題ない場合はぜひ利用しましょう。
期間限定で授業料がお得になるプロモーションやキャンペーンには大きく分けて2つのタイプがあります。どちらのタイプのキャンペーンが本当に「お得」なのかは留学計画によりますので、留学エージェントに相談して最もお得になるキャンペーンを利用しましょう。
同じ授業をより安く受けられる
- 授業料から○%を割引
- 入学金などの事務手数料が免除される など
同じ料金でより長時間の授業が受けられる
- 3週間分の授業料で4週間の申し込みができる
- 週15時間授業のプログラム料金で、週18時間授業のプログラムにアップグレードができる
- 一定以上の授業数・週間の申し込みで選択授業が無料で追加できる など
学費の節約の注意としては、むやみに「格安校」を選ばないことです。このような学校は学費が安い分、授業の質が悪かったり、サービスが不十分だったり、設備が整っていなかったりします。また、途中で閉校になってしまうというトラブルは、格安校に多いです。
留学プログラムパッケージを利用する
留学エージェントでは、学校や滞在先などをまとめたパッケージ商品を多く用意しています。また、語学学校から専門学校への進学や、専門学校で複数の資格を取ることを目指す場合、学校がパッケージプログラムを提供していることがあります。パッケージは安いだけでなく、個々の申し込みが不要で留学準備が楽になりますので、よい商品を見つけたら積極的に利用しましょう!
現地でアルバイトをする
ワーキングホリデーや、就労許可のある学生ビザで留学に行く場合に限られますが、留学先現地で発生する食費、家賃や交通費などの出費はアルバイトでまかなうことができます。バイトで留学費用を全てカバーする、いわゆる「0円留学」にできるような収入はもちろん期待できませんが、補助となるお金があるだけでも心強いです。アルバイトはさらに、現地のワークカルチャーに触れたり学校の生徒やスタッフ以外の人と交流して言葉を話す練習ができたりする良い機会なので、金銭的な面からだけでなく、文化や生きた言語を学びたい人にひじょうにおすすめな活動です。
アルバイトができるケース
- イギリス:Tier 5 YMS ビザで渡航する場合
- オーストラリア:ワーキングホリデー、または学生ビザで学校に通う場合
- ニュージーランド:ワーキングホリデー、または特定の学校に14週間以上通う場合
- カナダ:ワーキングホリデーで渡航する場合
ホームステイ・寮は短めに、シェアを長めに
滞在方法が選べる場合は、滞在費が高くなるホームステイや学生寮を短めにし、シェアハウスやシェアルームでの滞在を長くしましょう。シェアを探す際は、市街地よりも郊外のほうがお得になる傾向にありますので、色々な場所の物件を探してみましょう。普段通りの節約方法も忘れずに
上記では、「留学の」費用を抑える方法について説明していますが、その中で忘れてはいけないのが、留学生活であるなしに関係のない普段からの「節約術」です。外国にいるとはいえ、到着後に送るのは「生活」です。日本にいても海外にいても、日々の節約の方法は大きく変わりません。外食が高いのであればなるべく自炊をする、交際費節約のために徒歩や自転車移動を心掛ける、学校帰りや休日に遊びに行く時はお酒はほどほどにするなど、ちょっとしたコツを抑えれば留学費用は節約できます。慣れている日本から出ていると金銭感覚が変わったり、羽目を外してしまったりするかもしれませんが、それで日々気を付けていたはずの節約を忘れてしまうと金銭面で大きな打撃を受けることになります!然り節約した人は、ぜひ留学中の生活習慣にも気をつけてください。
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